015年3月1日、関西経済同友会が大阪・夢洲(ゆめしま)に統合型リゾート(IR)を建設する構想を提言にまとめて公表したというニュースが届きました。
関西同友会は、2020年の東京オリンピック開催に合わせて、大阪にIR施設を開業して大勢の観光客を誘致したいと意欲的です。
(関西経済同友会の公式サイト)
建設予定地を大阪の夢洲に設定
今回の関西経済同友会が掲げた提言では、建設予定地を大阪のベイエリアとして知られている夢洲に設定しています。約220ヘクタールの広大な用地に、関西が得意とする環境技術などを結集した世界初の「スマートIRシティ」を建設する構想です。
まち全体の設計モチーフは浪華八百八橋の原風景となっています。水の都として繁栄してきた大阪の歴史文化を重視し、「水都・大阪」のシンボルとなる魅力的な海上都市を創造するという計画です。
カジノ施設はIR全体の3%程度
IR施設と聞くと、カジノがメインだとイメージしがちですが、関西経済同友会はカジノフロアの述べ床面積はIR施設全体の3%程度に設定しています。
テーマパークの敷地面積が約20万ヘクタール、ショッピングなどの商業施設の店舗面積は約10万平方メートル、7,000室の大型ホテル、5,000席が設置できるアリーナなど、一般の観光客がファミリーで楽しむことができる施設が大半を占めています。
7項目にのぼるギャンブル依存症対策を提唱
関西経済同友会では、IR施設のイメージの設計だけではなく、カジノ誘致におけるマイナス面への対処に関して7項目にのぼるギャンブル依存症対策を提唱しています。
第1項目は、ギャンブルにハマりやすい人がカジノに入場できないように自身でカジノ側に依頼できる「自己排除プログラムの導入」。
第2項目は、本人ではなく家族でもカジノ側に依頼することができる「家族申告による排除プログラムの導入」です。
第3項目は、日本人がカジノフロアへの入場に対して一定の入場料を支払う「入場料の徴収」。
第4項目は、政府がカジノ免許を与える際、IR運営企業に利益の一部をギャンブル依存症対策費として拠出することを義務付ける「ギャンブル依存症対策費はIR運営企業が拠出」。
第5項目は、ギャンブルにおける依存症対策を審議して対策を講じる期間や審議会などを設置する「日本版ギャンブル依存症対策審議会の設立」。
第6項目は、ギャンブル依存症をコントロールし、治療やカウンセリング態勢を整備していくための大規模な社会調査をは長期的・継続的に実施する「ギャンブル依存症における社会調査の継続的実施」。
第7項目は、国や地方公共団体はカジノ法案の成立の可否に関わらず、公営ギャンブルやパチンコ等も含めた依存症に対する治療体制・研究機関の設置を早急に実施するべきだとする「カウンセリング・治療体制の充実」。
まとめ
関西経済同友会が提言したIR施設は、カジノだけではなく、ホテルやレストラン、劇場、国際会議場、アミューズメント施設などを組み合わせた魅力的な複合観光施設だと思います。
また、カジノ誘致におけるマイナス要素に関してもしっかりとした対策を提案しています。
なかなか進展しないカジノ法案ですが、近い将来にカジノ法案が成立して、今回関西経済同友会が提案したような魅力的なIR施設が誕生するとよいですね!
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